
渓流・渓谷の撮影に最適なシャッター速度-1-
NDフィルターを使おう
初夏から秋にかけての渓流・渓谷はとても氣持ちの良いもの。
木々のマイナスイオンと川から流れるアルファ波の音楽を聞きながらの撮影は最高の氣分。
積極的に自然と触れ合い、撮影しながら氣持ちをリフレッシュさせましょう。
渓流・渓谷といえば川の流れです。
カメラを持って出かけたのは良いけどどうも感動が足りない。
そんなことはないでしょうか。

撮りたい写真となんだか違うんだなぁ
川の流れを撮影するにはシャッター速度の調節が最も大切です。


この写真は普通にオートで撮影したものです。
川の流れを再現していて確かにきれいに撮れています。
しかしどこか物足りない感じがしませんか。
- 考えて撮ってみたけど感動がいまいち
- 写真展やSNSで見かけたように撮ってみたい
- 撮り方になにか工夫が必要なの?
カメラは見た目を映す装置なのでそれなりに撮ればそれなりの映像が得られます。
ところがそれとは別に写真にしたときの感動は少し違います。
この映像はどうでしょう。
川の流れとは思えない独特の雰囲氣を醸し出してはいないでしょうか。
この2枚の写真の違いはシャッター速度です。
最初に見た写真のシャッター速度は1/100秒です。
一方、後者の写真は2秒です。
シャッター速度を変えるだけでここまで映像美が変わります。
シャッター速度を遅くする撮影はどうすればいいでしょうか。
写真には3つの設定が必要です。
一つは「絞り」、2つ目は「感度/ISO」そして3つ目が「シャッター速度」です。



カメラの基本3項目
これら3つの設定はそれぞれ連動しています。
もしシャッター速度を遅くしたいと考えるなら以下の条件が変わります。
絞り値は大きくなります。
感度/ISOは下がります。
その理由はシャッター速度を遅くするという行為は光を多く取り込むことになるからです。
写真には適正露出というものがあるので、ある程度の光は必要でもそれ以上は不要です。
絞り値が大きくなるということは光の入り方を少なくさせます。
感度/ISOが小さくなるということは光に対する感度を下げてセンサーが光を感じ難いようにします。
この作業のおかげでシャッター速度は長くすることができます。


渓流・渓谷の撮影のテクニックの一つにシャッター速度を遅くすることがあります。
これにより見たことのない映像を得ることができます。
シャッター速度を遅くできない原因
カメラの設定を変えてもシャッター速度を落とせないことがあります。
これは周りの環境が明るすぎることが原因です。
このようなときはレンズから入る光の量を調節するフィルターを使用してみましょう。
減光フィルターと言われるレンズフィルターはNDフィルターと呼ばれています。
このフィルターを装着すれば光の量を遮断できるようになります。
そのため感度や絞り値に頼らなくてもシャッター速度を落とすことが可能です。
NDフィルターの種類によって減光量が決まります。


NDフィルターは数値が大きくなれば黒の量が増える(出典:Kenko)
そのため撮影場所にしたがってさまざまなNDフィルターが必要となります。
なぜなら光の量の調節によっては希望するシャッター速度とならないことがあるからです。
逆に暗すぎるとシャッター速度以外の感度や絞り値を変化させても適正露出にならないことがあります。
NDフィルターの種類はND2~ND1000までと様々種類があります。
数値は露出を抑える値です。



NDの値は2,4,8、16・・と倍に増えていく
ND2なら1絞り分、ND4なら2絞り分減光する仕組みとなっています。
また可変式NDと言われるものも販売されるようになりました。
可変式は連続的な減光量が可能となるためさまざまシチュエーションで使用可能です。