ZUIKO 40-150mmPROレンズの選び方 | 望遠系神レンズの実力

OM SYSTEMから販売されている2本の40-150mm PROレンズ。

F2.8とF4.0があるけど自分にはどちらのレンズがいいのだろうか。

価格はM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PROが127,600円、M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROは198,000円。

重さは断然F4.0の方が軽いのだけれど、性能はF2.8の方が良さそう。

こんな疑問を抱いたことはありませんか。

このブログではPROレンズとなる40-150mmの違いについて詳しくお伝えします。

最後まで読んでいただくと自身にあったレンズ選びができます。

このブログの内容
  • 2本のPROレンズの違いがはっきりわかるきる
  • 自分にとってどっちがふさわしいのかが明確になる
目次

40-150mm PROレンズの役割

この文章を読まれている方はすでにある程度のPROレンズを理解されている方かと思います。

標準レンズも当然PROレンズを利用されていることでしょう。

M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROもM.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROもどちらもいいレンズ。

12-40mm F2.8 PROⅡ使ってるよ

F2.8やF4.0の標準系PROズームレンズは色々なシチュエーションで使用できるスグレモノ。

そこに40-150mmのPROズームレンズを加えると撮影バリエーションはさらに膨らみます。

PROレンズをすでに使用しているなら選択肢にM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 Rはありません。

なぜなら片手落ちになることが目に見えているからです。

40-150mm F4.0-5.6 Rも侮れないけどね

侮れないチープレンズ

では40-150mmのPROレンズとしてF2.8とF4.0のどちらを選択すべきでしょうか。

この回答には十分時間をかけて決着させる必要があります。

なぜならどちらにも一長一短があり、順位を決定づけるのが困難だからです。

マイクロフォーサーズは文字通り小さなセンサーサイズです。

それはフルサイズの半分のセンサーサイズが採用されています。

そのためいくら明るいF値のレンズを用いてもボケ味という面では同条件でフルサイズにかないません。

ボケだけを追求しても作品にはならないよ

一方、すでに深い被写界深度が得られる性質なのでスナップや風景には最適なセンサーサイズと言えます。

より明るいF2.8のレンズを選択する理由はボケ味を徹底的に追求したいからでしょう。

しかし深い被写界深度を利用することが主体なら明るいレンズの選択は不要です。

パンフォーカスでピントがビシッと合う写真の方が受けは良い

ここまで書くともう決着したのではないのか?

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PROは軽快さを活かして瞬間を狙う撮影に向いている

そう感じられると思います。

話はそんな簡単ではありません。

明るいレンズを使う理由があるからF2.8を選択するという考え方はあまりにも早計です。

そもそも両者のPROレンズは設計が異なる

優先すべきはどれか(拡張 or 持ち運び)

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROもF4.0 PROも高性能レンズとして写りは確約されています。

ここで考えておきたいのは、どんなシチュエーションでレンズを用いるのかという点です。

山岳を主体に1gでも荷物を削りたいユーザーならM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PROはいい選択です。

(※冬山などで極端に荷物が重くなる場合はM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 Rの選択しか無いかもしれません。)

マイクロフォーサーズのズームレンズPRO(神)レンズと非PROレンズ比較

他方で風景写真を主体にというユーザーならM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROの方がいいでしょう。

その理由は拡張性にあります

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PROは高性能なガラス材料を用いてさまざまな収差が補正されています。

映像にはキレがあり写真展示などプリントする場合、何不十分はありません。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROも同じく高級な材料が使用されており収差は徹底的に排除されています。

どちらのPROレンズも大きなパネル展示に十分耐えられる

では何が違うのでしょうか。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROとM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PROの違いは拡張性です。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROはテレコンバーターが使用可能

一方、M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PROは単体使用。

40-150mm F4.0 PROは沈胴式で非常にコンパクト

ズームは固定式で焦点距離に影響されず使い勝手は良い

ここに大きな差が生じます。

野鳥撮影のブログでM.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 ISを紹介しました。

このレンズは単体使用以外にテレコンバーターで拡張が図られています。

ここまで書くと拡張性がレンズにとって全てと思われるかもしれません。

ここがレンズ選びの難しいところです。

拡張性はあるユーザーにとって魅力的であっても違うユーザーにとって不要となるからです。

拡張性を兼ね備えるということは、ある意味重量について妥協が必要になります。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PROは単体で382g。

フルサイズ換算で300mmのレンズとしては十分軽量な存在です。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PRO
重量(g)760(三脚座除く)
880(三脚座含む)
382378(三脚座除く)
498(三脚座含む)
テレコンバーター装着不可
価格(税込み定価)¥198,000-¥127,600-¥70,400-

300mmの焦点距離を兼ね備えていれば撮影の実用上に何ら問題ありません

300mm以上の望遠を望む撮影となれば野鳥などの動体撮影の傾向が強くなっていきます。

一方、M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROは単体使用はもちろん可能です。

それに加えテレコンバーターを用いればさらに上の望遠撮影が可能です。

テレコンバーターの存在は大きい

M.ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter MC-14装着で210mm(フルサイズ換算420mm)に。

M.ZUIKO DIGITAL 2x Teleconverter MC-20装着なら300mm(フルサイズ換算600mm)に変わります。

M.ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter MC-14

M.ZUIKO DIGITAL 2x Teleconverter MC-20

テレコンバーターを使用することでもちろんF値は1絞り分(MC-14)、2絞り分(MC-20)減少します。

そのため暗いレンズへとある意味での格下げが生じます。

ただOM-1ならISO25600まで(実用12800)の画像耐性があるためF値の低下は高ISOでカバーできます

三脚座をどうとらえるか

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PROは三脚座が無いため収納は極めて便利です。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROの場合は三脚座の取り外しが可能です。

とはいえ全体のボリュームは大きく重くなります。

もし収納の限られたザックなどにカメラ一式を入れるとなれば明らかにF4.0 PROが有利です。

40-150mm F2.8 PROはインナーフードのようにレンズ側に収納できる

フードを出すとかなり大柄なレンズに

三脚座は使用時は便利だが収納時は出っ張りが大きい

持ち運びの利便性は関係なく撮影だけに特化した風景撮影で使用する場合、三脚座は非常に便利です。

なぜなら三脚をカメラに取り付ける際、縦位置撮影でメリットが生じるためです。

通常ならL字アダプタやアルカスイス互換アダプタをカメラに装着し縦位置に入れ替える必要があります。

三脚座を取付けると回転だけで縦位置撮影が可能

しかし三脚座なら回転させるだけで瞬時に縦位置撮影が可能となります。

つまるところ持ち運び優先なのか、撮影の利便性を優先させるかによって選択が変わってくるのです。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROはじっくりと被写体と向き合う場合、最高のパフォーマンスを実現する

もちろん両レンズを購入すればすべて問題が解決するでしょう。

ただあまりにも理想的すぎてコストパフォーマンスが現実的ではありません。

写り方の違い

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROもF4.0 PROも同じPROの称号をまとっています。

もちろん写りはPROレンズにふさわしい高解像度を約束します。

厳密にとらえるならM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROのファインダー越しの見え方は最上です。

ミラーレスカメラは露出の状態が撮影者にしっかり伝達できるためファインダーの見え方はダイレクトです。

そのためM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROのファインダーの見え方は明らかにクリア過ぎるほどです。

40-150mm F2.8 PROのファインダーの見え方は一級品

もちろんF値が明るいという特性によるものかもしれません。

しかし特性以上に目から鱗が落ちると言った表現がふさわしいといっても過言ではないでしょう。

2大神レンズで撮る映像はファインダーを覗くだけで輝いて見える

ファインダー越しの映像がクリアであるということは撮影後の映像も同じだけクリアであると言えます。

この違いは言葉では表せませんが百聞は一見にしかず。

F値の違いだけで説明できない透き通ったファインダーの見え方はF2.8 PROにだけ許されたもののようです。

この時点でさらに悩み続けるなら一度レンズをレンタルし、両者の性能を確認することをオススメします。

ズーム時の広がり

汎用レンズ(非PROレンズ)の多くはズーム域が望遠側に行くに従い全長が伸びる仕組みになっています。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROとM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PROのズーム機能は優秀です。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROはインナーズームなので全ズーム域で全長は変化しません。

またM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PROは一定幅全長が伸びますが全域で伸び縮みがありません。

少し伸びるのか、全く伸びないのかが違う点

つまり両者ともに自重落下に悩まされることなく撮影に集中できる特長を持っています。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROは重量変化がない分、撮影時の安定性を考慮した設計と言えます。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PROにおいては小型で全長の変化が少ないため撮影安定性は確保されています。

両者ともにフォーカシングは静かだよ

どちらにしても10万円を超える高級レンズだけに撮影時の想定はしっかりなされています

究極の選択

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROとF4.0 PROの選択は非常に厄介です。

一つの考え方として以下のような方法があります。

現在使用している標準レンズがM.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROならF4.0 PROがベスト。

この理由はコンパクトなレンズを選択した時点で撮影は持ち運び優先となっているからです。

他方で現在使用している標準レンズがM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROである場合。

F4.0の標準ズームなら望遠もF4.0がベストマッチ

このレンズなら重量級のF2.8 PROでもF4.0 PROの軽快なレンズでも組み合わせは自由です。

少なくとも標準レンズを選んだ際の被写体がスナップ主体ならF4.0 PROが確定します。

そして風景主体なら次の2つに分かれます。

山岳写真かそれ以外の風景写真か。

荷物重視の山岳写真を撮るのか

撮影メインの風景写真を撮るのか

山岳写真を主軸にしているのならF4.0 PROの選択がベストです。

F2.8 PROは大変優れた逸品ですが、使用場面が限定されることは間違いありません。

それでもF2.8 PROを選択したいなら、別案を考慮しておく必要があります。

すなわちM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROもしくはM.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3をサブとして持っておくことです。

M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3は高解像度は期待できないものの利便性は飛躍します。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROを撮影に持っていけない状況が発生するなら高倍率ズームで補うのです。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROが非常に優秀であるという点だけは間違いありません。

それでも持ち運びに支障が出るような撮影で無理に持ち出すことは避けたいところです。

その点M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PROはあらゆる状況下でも持ち出せるため万能と言えるのかもしれません。

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