ミラーレスは軽量コンパクトなマイクロフォーサーズに限る

フルサイズとAPS-Cそしてマイクロフォーサーズ結局どれが良いのだろうか。

フルサイズカメラも最近軽量コンパクトが出てきたけど実際どうなんだろう。

大は小を兼ねるだからフルサイズで良いんじゃない。

マイクロフォーサーズも氣になるけどきちんと比較してみたい。

カメラは高価な商品です。

だからこそ購入後は後悔したくない。

そんな悩みをお持ちの方にこの記事を贈ります。

すべてのセンサーサイズを使いこなしてきた経験者が本音を語ります。

最後まで読んでいただくとどのカメラがご自身に合っているのかが理解できます。

本記事の内容

  • 自分に合ったカメラフォーマットが理解できる
  • 高機能とは何なのかがハッキリする
目次

フルサイズが軽量化できたわけ

35mmフルサイズセンサーが登場するまで

センサーサイズが大きいことは良いことだ。

このように語るユーザーはなんと多いことでしょうか。

フルサイズ利用者はカメラ人口の中で多くを占めることだと思います。

ただこの結論に至った理由はと尋ねると、

明確に答えてくれるユーザーがどれほどいるでしょうか。

結局、自身で比較しないとわからない

人は製品を購入する時、安心感を求めます。

もちろん結果的に納得できたならそれはそれで幸せなことです。

カメラはフルサイズであろうがマイクロフォーサーズであろうが金額の張る代物です。

一度購入を決めたからにはそうヤスヤスと異なる違うデジタル一眼に鞍替えは難しい。

それでなくてもモノの値段が上がり続けている現状で給料は上がらない。

低賃金・物価高の傾向が強まっている最中、大枚はたいて購入したカメラ。

氣に入らないからと、別なメーカーに変更できる人は決して多くありません。

このカメラ返すからこっちと交換してくれない?!

無理

もちろん高額な製品を買い求めるのですから家電量販店やホームページチェック、

いろんな製品レビューをしっかり進めて購入に至る。

ぬかりなく足固めをしたからこそ決断した結果を否定することは意に反する。

人はこのように納得して生きているのです。

フルサイズを望んだ理由

デジタルカメラが出始めた頃、センサー開発は途中段階。

まだまだAPS-Cのデジタルカメラが主流でした。

ところが35mmフィルムカメラで写真を撮っていた者としては、

APS-Cレンズの使い方について「35mm換算」という頭計算がどうも氣に入らない。

フィルムカメラ時代にすでに持っているレンズ資産。

レンズに記載された通りの焦点距離で使いたい。

カメラ雑誌も同じ意見と言わんばかりでフルサイズセンサーカメラの登場が叫ばれたのでした。

特にカメラ雑誌がフルサイズと煽っていた記憶がある

センサー開発が発展途上であったことからフルサイズセンサーは夢のように語られていました。

もちろん筆者もフィルムカメラで使っていたレンズ資産を、

フルサイズデジタルカメラとして使おうとしていた一人だったのは間違いありません。

もちろん、当時はフルサイズセンサーのデジタルカメラが出たら絶対購入!

そう決めていました。

ようやく日の目を見たフルサイズセンサーカメラ。

ニコンがFマウントで発売を始めた。

ニコンはFマウントの35mmフィルムカメラを使っていたので喉から手が出るほど欲しい代物でした。

ところが時、既に遅し。

モノとの出会いには縁があるよね

このときPENTAXでAPS-Cをメインに使用していたこともあり、

ニコンのFマウントフルサイズが出ても購入に踏み出せなかったのです。

フルサイズを捨てた理由

理由はそれだけではありません。

PENTAXのAPS-Cで何の不満も無かったから。

これが一番の理由です。

APS-Cでデジタルカメラは成熟していた

追い打ちをかけたのがデジタルカメラのレンズ資産が負の資産へと変わった瞬間。

APS-Cカメラで35mmフィルムサイズのレンズを使うには重くて使いづらい・・

ましてや焦点距離も約1.5倍してという頭計算が必要になる。

面倒な計算とAPS-Cに比べて重いレンズを持ち歩くのも大変。

フィルムカメラで使っていたレンズは広角でもAPS-Cでは広角として使えない。

【初心者必見】デジタルカメラで頭を悩ませる焦点距離と画角をやさしく解説

センサーサイズが小さくなれば同じ焦点距離でも、

望遠側にシフトするので結果的に使いずらかったというのが本音だったわけです。

ですからPENTAXのAPS-Cカメラを求める際は、

軽量なキットレンズ18-105mmレンズを一緒に求めて使用することにしました。

ところがこのAPS-Cを使い始めても撮影に何の問題も無かったのですから驚き。

(センサーゴミが厄介だったという不満はつきまといますが・・)

とうとう、フィルム時代の35mmレンズ資産を運用する計画はとん挫したわけです。

フルサイズセンサーデジタルカメラを購入しなかった理由の2つ目は高価すぎた点です。

もっとも35mmフィルムカメラとは比べ物にならないくらいデジタルカメラは重すぎた。

35mmフィルムカメラは軽量だからね

それでも・・

筆者はAPS-CのPENTAXをメインで使用しつつもフルサイズはずっと氣になっていました。

フルサイズカメラは目標の頂点にありましたから悩んだ末に中古でフルサイズ機K-1をテスト購入。

その後どうなったか。

ハイ。

予想通りほとんど使わないままAPS-C機ばかり使用することとなりました。

センサーサイズが大きいカメラは魅力的でも、

実用性がフィルムカメラよりも劣れば絵に描いた餅。

重い機材は持ち運びがとにかく面倒

フルサイズ機をメインで使用しなかったのはAPS-Cカメラがちょうどフィルム時代の、

35mmカメラと同等程度の大きさと重量ということが大きかったのだと思います。

結論から言うとAPS-Cカメラは重量的・価格的にもバランスのいいデジタルカメラだと感じています。

センサーサイズにいろいろな大きさがある理由

デジタルのフルサイズ一眼レフカメラはとにかく重い。

こんな問題をメーカーが見逃すはずも有りません。

一眼レフカメラで常識とされてきたミラー。

これは画像をペンタプリズムを通しファインダーに送り込む装置。

デジタルカメラの時代ではもはや除去することは可能です。

もちろんミラーを無くすわけですからペンタプリズム(ガラスの塊)を残したデザインは不要。

カメラ上部にある出っ張りには本来ファインダーに画像を送り込むペンタプリズムが搭載されていた:Wikipedia

ファインダーは一眼レフのミラーを使った光学方式から、

センサー部を通して得られる画像情報を電子ファンダーとして電子表示させることに。

ミラーレスカメラへシフトするとどうなるのか。

少なくともファインダーにあるガラスの塊(ペンタプリズム)を除去できます。

ミラーレスはペンタプリズムの箇所には電子部品が詰まっている

これだけでも軽量化が可能。

加えてレンズが小設計となる。

これは一眼レフの呪縛となっていたフランジバック(カメラの奥行)という課題が一部解き放たれるからです。

フランジバックとはレンズを取り付けるレンズのマウント部からセンサーまでの距離。

ミラーレスにすることでこれまで出っ張っていたミラーの分だけフランジバックが短縮化されます。

ミラー(青)によりカメラの幅は決められていた:一眼レフ

ミラーが消えることでスリムなカメラが登場:ミラーレス

フィルムカメラ時代にレンジファインダーカメラというものが有りました。

これは2眼カメラというべきものでレンズを通した映像と、

ファインダーから見える映像とは異なる仕組みのカメラです。

ミラーあり一眼レフのレンズ(左)とミラー無しのレンジファインダーカメラレンズ(右)比較

カメラ黎明期、機能的なカメラを開発したライカはレンジファインダー式を採用しています。

レンジファインダーカメラはフィルムの前にシャッター幕だけが存在することから、

レンズは非常にコンパクトでした。

ミラー不要のレンジファインダーカメラレンズは小さかった

ミラーレスデジタル一眼カメラは合焦方法こそレンジファインダーとは異なるものの、

ミラーレスという同じレンズ設計ができるのですから自由度はウンと広がります。

この恩恵を特に受けるのが広角レンズです。

レンズにはそれぞれ主点(下記画像内P点)というものが有り、

広角レンズは主点がよりカメラ側に近くなります。

画像(Wikipedia):主点の詳細はこちらが理解しやすい

難しい話は省きますが、カンタンに言えばセンサーから主点までの距離が焦点距離に該当します。

焦点距離15mmとはセンサーから主点までの距離が15mm。

一方望遠レンズ200mmならセンサーから主点までの距離が200mmという計算です。

つまりフランジバックが短くなればレンズ設計の自由度は上がります。

ついでに収差と言われる画質を低下させる現象でさえ抑えることが容易となります。

フランジバックの短縮化によってレンズ最後部が可能な限り、

カメラ側へ寄せることができるようになるのです。

レンズ設計が自由になればレンズの小型化が比較的楽に達成できる。

ここでは、このことだけを覚えておいていただければ十分です。

フルサイズのレンズが軽量化できたのはホントかウソか

ミラーレスになってレンズは軽量化できた。

このような声を聞くことがあります。

だからフルサイズもマイクロフォーサーズに近い重量のレンズ設計が可能。

このように回答する人もいます。

この見解は、少し誤解があるようです。

それはレンズの根本原理を理解していないからです。

ミラーレスになってレンズ設計は容易になりました。

しかしこの話は特に広角側で大きく恩恵を受けるだけのことです。

つまり望遠側に近づけば短いフランジバックのありがたみは薄れます。

たしかに望遠レンズでもフランジバックが短くなった分、多少の軽量化は図られます。

しかし効果は限定的です。

理由は焦点距離が長くなるからです。

焦点距離が遠ければ、センサーから主点までの距離が当然長くなります。

加えてフルサイズはそれなりのイメージサークルを確保しなければんりません。

ここに盲点があります。

この表をごらんください。

一眼レフのニコンFマウント(ミラーありカメラ)と同Zマウント(ミラーレスカメラ)の比較です。

画角NIKKORレンズ/ 重量(g)
F(一眼レフ:ミラーあり)Z(ミラーレス)
24mm(26mm)Ai AF 24mm F2.8D / 270Z 26mm F2.8 / 125
28mmAi AF F2.8 / 205Z F2.8 / 155
35mmAF-S F1.8G ED / 305Z F1.8 S / 370
85mmAF-S F1.8G / 350Z F1.8 S / 470
105mmAi AF DC F2.0 D / 640Z MC F2.8 VR S / 630
400mmAF-S F2.8 FL ED VR / 3800Z F2.8 TC VR S / 2950
フランジバックの効果は広角側を中心に見られるが、イメージサークル確保の影響で大きな軽量化は図れない

広角側でZマウントは軽量コンパクトなレンズとなっています。

一方で標準画角(35~50mm)を境に重量差は大きなものとなっていません。

つまり望遠レンズへと向かえばフランジバック効果は大きくないのです。

フルサイズセンサーというイメージサークルを確保することの方が影響は大になる。

これはフランジバックの長短にあまり関係しません。

マイクロフォーサーズはフルサイズの半量約17mmのイメージサークルを確保すれば良い。

長辺35mmのフルサイズ面積を映像表現しなければならないという壁とは桁違いです。

物事は木を見て森を見ずではなく、森を見て木を知ることです。

物理的に不可能な点を棚上げしてしまっては身も蓋もありません。

ミラーレスになってフルサイズカメラのレンズが軽くなったという話は、

一部はホントですが、極めて限定的ということだけは確かです。

フルサイズとマイクロフォーサーズの比較

マイクロフォーサーズについてはこの記事で改めて書く理由はないでしょう。

筆者はフィルム時代に大判カメラ(4X5インチのフィルムサイズ)から35mmカメラを使用してきました。

当時は現在のようにセンサーサイズによる議論はほとんど耳にしませんでした。

少なくとも写真撮影についての技法に終止していた氣がします。

もっともフルサイズにボケを求めるなら、

ハッセルブラッドやフジのGFXのような中版デジタルが最上位に来てもおかしくありません。

645中版サイズのボケ方は段違い

なおかつフルサイズに留まっているのは、

手ぶれ補正や多機能さがフルサイズまでのカメラに集中している要因なのかもしれません。

ただ写真映像に関し、筆者はマイクロフォーサーズで撮影した写真を見た人から、

解像度が低いなどと指摘された経験は一切ありません。

マイクロフォーサーズを知らない人が多いのかも

何氣にセンサーサイズ議論は詰まるところ空論的な対象でしかない感覚を受けます。

唯一マイクロフォーサーズで氣になるといえば夜景など暗部ノイズでしょうか。

ただこれもハイレゾショットや編集ソフトでカバーしきれる内容です。

画角M.ZUIKOレンズ / 重量(g)NIKKORレンズ/ 重量(g)
12mm(26mm) 12mm F2.0 / 130Z 26mm F2.8 / 125
17mm(35mm)17mm F1.8 / 120Z 35mm F1.8 S / 370
25mm(50mm)25mm F1.8 / 137Z 50mm F1.8 S / 415
45mm(85mm)45mm F1.8 / 116Z 85mm F1.8 S / 470
75mm(135mm)75mm F1.8 / 305Z 135mm F1.8 S Plena / 995
600mm300mm F4.0 IS PRO / 1270Z 600mm F4 TC VR S / 3260
マイクロフォーサーズレンズは広角から望遠まで十分に軽量化が図られている

事実OM-1で星の撮影に取り組んでいる写真家もいるのですから、

解像度が低くてどうもという話は、何かしらぞんざいな印象すら受けます。

受け入れたからこそ見える世界

ここで一つ注意点があります。

筆者がフルサイズを否定しているのではないのかという点について。

これは完全に誤解です。

重さを氣にせず常に持ち歩く体力と氣力、

機材に多額の投資ができる余力があるならフルサイズ選択は間違いではありません。

APS-Cに至ってはマイクロフォーサーズほどではないですが、

軽量化と高画質の両面でバランスが取れているためAPS-Cの選択は十分アリです。

APS-C機はデジタルカメラを始めてから長らく使用していたセンサーサイズなので、

APS-C推しという意見は十分に理解できるのです。

使用するか否かにかかわらず今でもPENTAXのフルサイズ機とAPS-C機を所有しています。

マイクロフォーサーズにはないレンズを使用する場合などAPS-Cを使用することもあります。

すべてのセンサーサイズを使ってきた経験から来る総合的な判断が、

マイクロフォーサーズ推しに行き着いただけです。

同程度の映像表現が可能とわかった以上、わざわざ重い機材を持ち歩くことは無用と判断。

あらゆる経験を重ねてきた自身の結果に基づく結論に過ぎません。

カメラを選択する方法

この記事を読んでくださっている読者は少しでも写真に興味を持たれているのだと思います。

脱スマホで本格的に写真を撮りたいという想いがあるならセンサーサイズなどどうでも良く、

スチル写真に興味を抱く方々のお悩み解決窓口になれるなら幸いです。

家電量販店へ行くとさまざまなメーカーのさまざまなカメラを手に取ることができます。

選択するという行為は数が多ければ多いほど選べないという心理が働きます。

よく例えられる話にジャム実験というものがあります。

一方では24種類のジャムを設置、もう片方には6種類のジャムを置きます。

ここで試食の機会を与えます。

6種類のジャムを設置した販売所では40%の試食率でしたが、

24種類のジャムを設置した販売所では60%の試食率が達成されました。

ところが購入については6種類のジャム販売所では30%が購入、

他方で24種類のジャム販売所ではたった3%の購入に過ぎなかったのです。

これは心理学用語で「決定回避の法則」と言われ選択肢が多いと人は選ぶことを避けようとします。

カメラも同じく選択肢が多くなればなるほど購入はできなくなってしまいます。

大きな量販店へ行くとすぐに帰りたくなるんだ

本当にカメラを購入しようと決めているなら、まずはホームページを見てください。

いきなり大規模の量販店に行くと購入する氣すら失います。

ホームページでは自分に合ったデザイン、大きさ、重さを見極めます。

使用経験も無いままで仕様表を見ても理解できないと思います。

氣になったモノをピックアップするだけで十分。

センサーサイズがフルサイズ・APS-C・マイクロフォーサーズそれぞれ1種類を決め、

3つの中から投資できる額と相談し、納得できる最上の機種を選ぶ。

これが一番あなたにふさわしいカメラとなることでしょう。

購入後は徹底的に撮りまくり、長所と短所を理解しつつ目をつぶってでも操作できるように。

写真を楽しく撮るための秘訣

フルサイズカメラはとにかく餌代(金銭的負担)がかかります。

基本ズームレンズ1本だけで他には何も買わないと強い意志があるなら大丈夫でしょう。

しかし一度、レンズ沼と言われるガジェットの悪魔にささやかれたなら財布の紐はゆるゆるになります。

個人的に写真撮影を徹底的に楽しむなら不必要にガジェット投資はオススメしません。

安価でよく写って軽量なMFTがお得

機材にお金を浪費する位なら日本や世界を旅し、

多くの景色を撮るための自分投資に費やす方が圧倒的に幸せです。

マイクロフォーサーズを選ぶなら、フルサイズほど機材コストはかかりません。

高額なレンズならフルサイズの1/3程度のコストでハイレベルなレンズが手に入ります。

まずはレンズのランクは氣にせず広角・標準・望遠の3セットを購入。

初期の頃は、金額の張るレンズを背伸びして求める必要はありません。

汎用レンズでも作品レベルの写真は量産できます。

写真は道具で撮るものではありません。

シャッターチャンスと撮影頻度で得るものです。

まずはこの3本を揃える。

あとは撮影に邁進することが写真を楽しく撮るための秘訣です。

ヤマダ電機

ビックカメラ

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