弩級超望遠レンズは神レンズも驚き|手持ち撮影で手ブレなし

OM SYSTEMから新発売となったM.Zuiko Digital ED 150-600mm f/5-6.3 IS。

存在がとても氣になるけど実際に映りはどうなんだろう。

実用的なの?

購入する価値はあるのだろうか。

そんな悩みはないでしょうか。

量販店でM.Zuiko Digital ED 150-600mm f/5-6.3 ISを手にすることはできても店舗の中では本当のところはよくわかりません。

そんな悩みについてこのブログでは野鳥撮影を行った印象と撮影の実際についてお伝えします。

最後まで読んでいただければM.Zuiko Digital ED 150-600mm f/5-6.3 ISの真の姿が見えてきます。

このブログの内容
  • M.Zuiko Digital ED 150-600mm f/5-6.3 ISの実用性について理解できる
  • 購入する価値があるかどうか判断できる
目次

常識を覆す超望遠

令和6(2024)年3月13日、Zuiko Digital ED 150-600mm f/5-6.3 ISが新発売となりました。

これまで野鳥撮影を主体とするズームレンズには汎用としてM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISがありました。

このレンズはLEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm/F4.0-6.3 IIとよく比較されがちです。

解像度はLEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm/F4.0-6.3 IIの方が優れているとのコメントも散見します。

LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mmは結構人気だよ

一方でM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISはOMカメラと相性よく作られています。

被写界深度合成が可能という利点は大きいところです。

またテレコンバーターが付けられるので撮影の幅はさらに広がります。

M.ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter MC-14なら100mmが140mmに400mmは560mmに。

M.ZUIKO DIGITAL 2x Teleconverter MC-20なら100mmが200mmに400mmは800mmに。

800mmはフルサイズ換算で1600mm。

ここまで望遠になれば本格的な野鳥撮影の分野に踏み出せます。

テレコンバーターが使えるというだけで有利だね

ところがM.Zuiko Digital ED 150-600mm f/5-6.3 ISの登場で野鳥撮影はさらに近い存在となりました。

望遠域が400mmから600mmへと向上したことで野鳥の姿が単純に1.5倍となったからです。

つまりM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISにテレコン☓1.4を装着した状態とほぼ同じだからです。

特筆したいのは手ぶれ補正です

M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISと同様、M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISにもレンズ内手ぶれ補正が内蔵されています。

この効果は絶大です。

望遠レンズの大敵は実は手ブレだからです。

全く手ブレがないから驚き!

いくらいい被写体を見つけたとしても手ぶればかりならどうでしょう。

何百カット撮影した中で使える映像が数カット。

あれだけ苦労したのにわざわざ撮影に出向いた労力と時間がすべて水の泡に・・・

こんなことが現実に起きたなら、その後撮影に出向く自信が湧くでしょうか。

いまやカメラ内手ぶれ補正は8段以上搭載され始めています。

新機種のOM-1 MarkⅡでは最大約8.5段分へと大きく飛躍しました。

ZUIKO超望遠ズームレンズ「150-600mm F5.0-6.3 IS」で野鳥撮影(手ブレゼロの映像)

仮に1秒のシャッター速度なら1/250秒以上のシャッターを切るのと同じ効果です。

フィルム時代には1/4秒のシャッターが手持ちで切れれば凄い人物と言われたものです。

1/4秒のシャッターを手持ちで切れる技を持っているなら1分のシャッター速度が手持ち可能となります。

これだけでも凄まじい手持ち撮影能力。

今度30分に挑戦しようかな?!

多分無理

ここにさらにレンズ内手ブレ補正が加わるなら何分シャッターが切れることでしょう。

筆者は実際にM.Zuiko Digital ED 150-600mm f/5-6.3 ISで野鳥撮影を行いました。

600mm(フルサイズ換算1200mm)という焦点距離でも手ブレが認められた映像はありませんでした。

驚異的と言わざるを得なかったことを強く記憶しています。

マイクロフォーサーズのセンサーサイズが作り出すお家芸

超望遠レンズはマイクロフォーサーズのお家芸と言われる分野です。

なぜならセンサーサイズがフルサイズよりも小さくなるからです。

センサーサイズが小さくなるということは望遠系は小さな焦点距離でも大きな望遠レンズが作れます。

また小さなセンサーサイズなら大きな望遠レンズを必要としません。

野鳥、航空機や列車など動体を大きく写し撮る撮影はマイクロフォーサーズならではの機能です。

望遠になればなるほどMFTが有利

もちろんフルサイズカメラでもそのような機能は備わっています。

しかしフルサイズはマイクロフォーサーズよりも倍の焦点距離を必要とします。

つまりレンズが極端に重くなり、持ち運びする苦労は尋常ではありません。

その点、マイクロフォーサーズではフルサイズ換算の600mm焦点距離さえ劇的に小さなレンズです。

野外移動が激しい撮影や、長距離移動を余儀なくされた状況でコンパクトさはとてつもない力となります。

重いの嫌い!

だね

撮影は楽しくなければ続かない。

これは筆者がマイクロフォーサーズに行き着いた結果から導き出した言葉です。

楽しくという言葉は、なにも撮影に限ったことではありません。

人生のいかなる瞬間も苦痛を味わうことではなく、楽しみを得る生き方こそ最上なのです。

カメラがいくら画質がいいからと言って重量級のカメラとレンズを持ち歩くのに苦痛があれば良い写真は撮れません。

特に動体の被写体ならなおのことです。

超望遠レンズを多用するユーザーならマイクロフォーサーズの超望遠レンズの魅力は知っておきたいものです。

トリミング不要のダイナミック映像

SNSでよく「野鳥撮影しました」という投稿を見かけます。

そこには必ずと言っていいほどコメントがあります。

「トリミング後の画像です」

野鳥は小さくてたいへん可愛い生き物です。

だからこそファインダーで大きく撮影したい対象です。

トリミングなしの映像はやはり凄い

しかしながら通常の望遠レンズやフルサイズの望遠レンズには限界があります。

使用レンズによっては映像の中に点のような存在でしか無い場合。

SNSは解像度が低くても観ている側からすれば、それほど違和感は感じません。

なぜならPCやスマホで見る映像は72dpiという極めて低解像度で十分だからです。

ところがこれをプリントにまで引き上げたとします。

プリントの解像度は350dpi、少なく見積もっても250dpi程度の解像度が必要になります。

SNSで割り切っているならいいけどね

ここまでの解像度を獲得するには点のような野鳥映像を拡大処理してトリミングしていたのでは間に合いません。

トリミングはすればするほど映像は画質を損ないます。

そのためトリミングはできるだけ避け、行っても必要最小限にとどめたいものです。

たとえばトリミングで半分の画像を失ったとしましょう。

これが4000万画素であったとして、2000万画素に低下します。

さらに野鳥映像をもっと目立たせるために画面を1/4に削ったとします。

4000万画素 / 4 = 1000万画素

トリミングすればするほど画質は低下

フルサイズで撮ったと自信満々でもトリミングで一氣に1000万画素で低下した映像に魅力があるでしょうか。

重い機材を担いで苦労した画像なのに、被写体が小さく大きくトリミングをしなければならない。

これでフルサイズ撮影の意義はあったのでしょうか?

他方でマイクロフォーサーズと超望遠レンズで試してみましょう。

超望遠レンズのおかげで被写体が画面いっぱいに撮影。

つまりトリミングはほぼ不要という計算。

OM-1系なら2000万画素強なのでそのままの画質が保持されます。

超望遠+MFTは無敵なんです

トリミングはできるだけ避けたいところです。

しかし野鳥のようにターゲットサイズが決まっている場合はトリミングを避けたくても避けられない。

風景的に被写体を包み込むならいざ知らず、ある程度の大きさまで拡張する場合トリミングは発生します。

600mm(1200mm映像はトリミング要らず)

何をいいたいのかというと、動体撮影では画質はセンサーサイズではなく被写体の撮像で決まるということです。

重量級のフルサイズを担ぐ、そんな苦労をするくらいならマイクロフォーサーズで軽快な撮影。

結果的に正解はここにあるのです。

単焦点レンズとの比較

望遠系のZUIKOレンズにM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROがあります。

単焦点レンズはズームレンズに比べ特定焦点に設計が特化できるため優れた製品を作り上げることができます。

M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROは300mmという特定の焦点域で作られた超望遠レンズです。

フルサイズ換算で600mmという超望遠レンズでありながら1kg強と軽量化が図られています。

くわえてレンズ内手ぶれ補正が組み込まれており動体を撮影できる大きな武器を兼ね備えています。

テレコンバーターM.ZUIKO DIGITAL 2x Teleconverter MC-20を加えれば文字通り600mmへと変化します。

2倍のテレコンバーター装着ではF値が2段落ちることから実質F8.0の暗さになります。

300mm F4.0 IS PROは対抗馬

この暗さをレンズ内補正が助けてくれます。

さらにOM-1やMarkⅡにはISO 25600の耐性が加わっているので多少のF値の低下は致命傷になりません。

M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROはメーカー関係者からもダントツの解像度というお墨付きがあります。

テレコンバーターを用いて600mmに拡張することも良い手段だと思います。

他方、テレコンバーターは連続使用ができません。

つまりM.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROの焦点距離は600mm F8.0が限界だということです。

M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO

重量級は否めない

M.Zuiko Digital ED 150-600mm f/5-6.3 ISは2kgを超える重量級レンズです。

マイクロフォーサーズレンズで重量級レンズは考えられません。

筆者も同じ考えでこのレンズを使ってみました。

三脚や一脚を持たず手持ちで野鳥撮影に挑んだのです。

想定していた自身の撮影像は首がカメラとレンズに引っ張られてさぞかし重かろうと・・

レンズには三脚座のストラップが付いている(レンズ下)

ところが以外にも重さを感じなかったのです。

その理由は三脚座に付いているストラップのおかげでした。

数時間持ち歩いても大丈夫だった

もしOM-1付属のストラップを使用していたなら相当な重量が首を地面に引っ張っていたでしょう。

途中の三脚座ストラップならそこまでの重量圧を感じることはありません。

存在感がヤバいほど凄い

600mmの全長
30cm物差しを下に置いてみた)

フードをつけるとさらにデカい

最下の手ぶれ補正設定は必須

ズーム設定
「L」はロック、「T」はズームが固め、

S」はスムース(直進ズーム可能)

これはザックに荷物を詰め込む要領に似ています。

担いだときの重量を肩に感じさせない工夫として軽いものは下に重いものは上にというセオリーがあります。

つまり重さを感じさせる状態は、体の付け根に対してどのような距離であるかがポイントなのです。

手持ちなら自由度は大きいよね

カメラが首の付け根に近づくことで重量を感じる感覚がずいぶん違います。

どうやらM.Zuiko Digital ED 150-600mm f/5-6.3 ISは野鳥撮影を手持ちで行うことを前提に設計されているようです。

M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS

超望遠レンズから「超」超望遠レンズへ

フィルム時代は300mmおろか600mmの焦点距離など遠く及ばずプロ中のプロが使用する限定品と考えられていました。

デジタルではM.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 IIに代表されるように超望遠域は汎用へと姿を変えました。

超望遠の世界に画期的な革命が起きたと言っても過言ではないでしょう。

ましてや600mm(フルサイズ換算1200mm)などという焦点距離は望遠鏡だけに許された画角だったのです。

それがカメラというファインダーを覗き、大きく被写体を写し込むという行為まで実現させました。

こんな超望遠時代が来るなんて想像できなかった

超望遠域の撮影はビギナーでも全く敷居が低い存在なのです。

十数年前には想像できなかった世界が実現されています。

M.Zuiko Digital ED 150-600mm f/5-6.3 ISは、単体で1200mmまでの望遠域です。

テレコンバーターを装着できる余裕を見せることで遥か彼方の被写体までハッキリ映し出すことを約束します。

フルサイズ換算2400mmの映像を叩き出せるのはマイクロフォーサーズしかありません。

それもM.Zuiko Digital ED 150-600mm f/5-6.3 ISは唯一無二の存在なのです。

使うと病みつきになるよ

このレンズを使ってファインダーを覗けばもう他のレンズに目が行くことはないでしょう。

動体撮影をメインで取り組んでいるカメラマンならこのレンズを持たない理由はありません。

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