渓流・渓谷の撮影に最適なシャッター速度-2-
シャッター速度の最適化
渓谷で撮られた美しい写真を目にしたことはあるでしょう。
水の流れが滑らかで幻想的な映像と感じたはずです。
では渓流・渓谷におけるシャッター速度の最適値はどの程度でしょうか。
おおよそ1/4秒~5秒程度。
このあたりのシャッター速度を狙えば幻想的な映像を撮ることが可能です。
海と渓流・渓谷では少し話が違う
一方で10秒、20秒・・と秒数を増やしたとしてもあまり大きな変化はありません。
5秒以上スローシャッターを切っても変化は少ない(f14、5sec)
すでに滑らかな映像として表現されているからです。
画角の違いでもシャッター速度の影響は異なる
流速が早ければ短めのシャッター速度でもいいでしょう。
画角でいえば広角系は長めのシャッター、望遠系なら短めのシャッター速度で対応も可能です。
ISO設定に注意しよう
渓流・渓谷の撮影に最適なシャッター速度-1-ではNDフィルターの話をしました。
ところがNDフィルターを用いてもシャッター速度が下がらないことがあります。
それはISOです。
ISOは光に対する感受性といえる設定項目。
スローシャッター撮影ではISOオートは解除しマニュアルに変更
カメラ任せでISOがオートのままだと絞りを大きくしてもシャッター速度はほぼ変わりません。
意外にカメラ任せであることを忘れがちだから注意してね
理由はオート設定は手ブレが生じないようプログラムがシャッター速度を上げようとします。
故意にシャッター速度を下げて撮影しようとするならISO設定はマニュアルに切り替えてください。
低速シャッターを使用するならISOは200以下に抑えることが必要となります。
スローシャッターにこだわる
三脚の必要性
デジタルカメラが高性能になるに連れ7段・・補正という手ブレ機能が発達しました。
これにより多くのシチュエーションで三脚を持たず手持ち撮影が可能となったのです。
手持ちでスローシャッター対応となることで三脚不可の場所でも撮影が平氣になりました。
YouTubeやブログで◯秒間手持ち撮影可能とうたった内容もあるくらいです。
とても素晴らしい内容ですが、はたしてこれで三脚不要が現実化したのでしょうか。
答えはノーです。
なぜなら撮影は想定する映像をカメラに収めることであり、挑戦が目的ではないからです。
誤動作を防止するため三脚使用時は手ぶれ補正はOFFに
渓谷等の足場の悪い環境下での手持ち◯秒間は非現実的です。
現場ではワンショットで撮影を終え、次の撮影地に出向くことに撮影本来の意義があります。
ネイチャーでは絞り込んでの撮影がメイン。
広角であろうが望遠であろうがいかなる画角でも小さなブレは大敵。
仮に手持ち数秒間の撮影を行ったとして、1枚目の結果がブレていたら、
ワンショット目が狙った通りならその日はサイコー
やり直しで数枚シャッターを切ってもブレは収まるどころか酷くなるばかり。
手持ち撮影にこだわれば、集中力低下と身体へ負担ばかりが増大します。
ではどんな三脚を選べば良いのでしょうか。
このブログでマイクロフォーサーズ向きの三脚を紹介しています。
三脚に経費をかけたくないということでも最低でも国産品のファミリー三脚程度は準備したいところ。
理由は三脚が有るか無いかでは撮影結果に完全に差が出るからです。
レリーズの必要性
スローシャッターで怖いものは一にも二にも手ブレです。
せっかく三脚を用いて手ブレを抑えたとしてもどこかブレている。
これはよくある現象です。
大きな原因の一つにシャッターを切る行為があります。
キッチリ設定してもカメラのシャッターを押す行為は手ブレを助長します。
カメラを静止させたまま、静かにシャッターを切る方法には2つあります。
1つはカメラ内臓のタイマーを用いること。
2つ目はレリーズもしくはリモコンを使うことです。
OM-1では静音2秒タイマーがあるがスローシャッター時は3秒以上欲しいところ
前者のタイマー設定でも多くの手ブレは防げますが問題が一つあります。
それはタイマー秒数が2秒程度と短い設定がある点です。
2秒タイマーは少し短い
これは特に望遠系レンズを用いるとわかります。
つまりカメラ側のシャッターを使うとタイマー待ち時間内にブレが収まりきらないことがあるのです。
左:リモートケーブル RM-CB2、右:ワイヤレスリモコン RM-WR1
そのため可能な限りレリーズもしくはリモコンを用いることを強くオススメします。
特にリモコンは遠隔操作可能なので足場の不安定な場所で面倒な有線接続が不要になる利点があります。
一つ持っておけばスローシャッター撮影に大きく貢献してくれます。
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