神マクロ90mmレンズで単焦点レンズのラインナップが完結

マイクロフォーサーズのレンズは好きだけど単焦点レンズのラインナップがもう一つ。

広角側の単焦点は色々あるけれど望遠側も強化したい。

M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8からED 300mm F4.0 IS PROの間をつなぐ単焦点はないのだろうか。

こんな疑問や悩みはないでしょうか。

本記事では単焦点好きなマイクロフォーサーズファンに朗報をお伝えします。

最後まで読んでいただければ単焦点レンズで完結させる方法が理解できます。

本記事の内容

  • 単焦点レンズの揃え方がわかる
  • 望遠の単焦点を強化しつつ軽量化が図れる
目次

マイクロフォーサーズの単焦点レンズ

マイクロフォーサーズのレンズはメーカー製レンズに限定すると以下の画角となります。

OM SYSTEMでは12mmの画角から75mmまでまんべんなく網羅されていますが、

75mmから300mmまで一氣に望遠側が飛んでしまっています。

なんで100mmとか150mmとか無いの?

一方でPanasonicでは12mmから42.5mmまで細かく単焦点が揃えられていますが、

こちらも42.5mmから200mmまで一氣に望遠側が飛んでしまっています。

単焦点レンズでそろえる意味

フィルムカメラではフィルムサイズが35mmからブローニーなどさまざまなフォーマットが存在し、

大きいもので4X5インチのシノゴと呼ばれるものもありました。

その際、35mmフィルムカメラでは機動性を重視する目的でズームレンズが多く開発されました。

一方でブローニーフィルムから大きいサイズのカメラでは単焦点レンズが主流でした。

理由は大きいイメージサークルをもつカメラではズームレンズが異常に大きくなるからです。

また大きいフィルムサイズはすでに高画質を獲得していることからトリミングが前提でした。

大きいフィルムサイズは画質の余裕が違ったからね

風景撮影では足場が悪いことが多く、単焦点レンズを用いた撮影では限界が生じます。

さらに大きなカメラという特性もあり機動性に欠けるという欠点もありました。

しかしながら単焦点レンズは固定された焦点距離ということもあり画質はズームに比べ優れています。

大きなフィルムサイズに加え高画質な単焦点レンズを用いることで多少のトリミングは許容範囲だったのです。

小さなセンサーサイズに求められること

話をマイクロフォーサーズに戻しましょう。

マイクロフォーサーズは35mmサイズに比べセンサー面積は1/4。

つまり画質面で35mmサイズに比べ不利ということになります。

先のフィルムサイズとレンズ構成を思い出してください。

大きなフィルムフォーマットに単焦点レンズを使用してもトリミングでカバーできると述べました。

この話をマイクロフォーサーズに当てはめると単焦点レンズを使うことがとても無意味に感じます。

たしかにマイクロフォーサーズに単焦点レンズを使いトリミング処理をするなら画質は低下します。

マイクロフォーサーズは原則的にトリミングを極力抑えることがポイントとなります。

ではマイクロフォーサーズと単焦点レンズは相性が悪いのでしょうか。

答えはノーです。

単焦点レンズは固定焦点であるために画質はズームに比べ格上です。

加えて単焦点レンズならではの大口径が手に入ることはズームにはない魅力があります。

単焦点レンズを使うと氣合が違うよね

マイクロフォーサーズで望遠域を網羅するレンズ群があっても然りですが、

レンズメーカー製を見回しても見つけることができません。

ではどのように単焦点レンズのラインナップをそろえるのでしょうか。

答えは簡単です。

マクロレンズを単焦点レンズのラインナップに加えてしまうことです。

マクロレンズと聞くと接写専用とイメージするでしょう。

マクロレンズも単焦点レンズの一員だからね

マクロレンズは何も接写撮影にしか使えないという決まりはありません。

むしろマクロレンズは風景のような無限遠撮影も得意なのです。

接写撮影をしたいからマクロレンズを購入するという考え方は正解ですがもったいない話です。

マイクロフォーサーズの画質を最大限活かすなら単焦点のラインナップを工夫してみることです。

フィルムカメラでは単焦点レンズはトリミングを前提にとお伝えしました。

このトリミングを逆手に取ってしまうのです。

単焦点レンズでトリミングを避けるには画角を増やすこと

マイクロフォーサーズにとって不利となるトリミングをできるだけ排除する方法は、

単焦点マクロもラインナップに加えてしまえば良い話なのです。

この表を見てください。

【単焦点レンズだけで得られるラインナップ】

焦点距離(mm)8912141517202542.54575200300
OM SYSTEMF1.8F2.0F1.4
F1.8
F1.4F1.2
F1.8
F1.2
F1.8
F1.8F4.0
PanasonicF3.5F1.7F1.4F2.5F1.7F1.7F1.4
F1.7
F1.2
F1.7
F2.8
黄色:魚眼、青:OM SYSTEM、緑:Panasonic(2024年6月現在)

OM SYSTEMとPanasonicの単焦点レンズは広角と標準側に偏った構成となっています。

一方で望遠側のラインナップが少ないと感じませんか。

この構成は標準域から望遠域を撮影するならズームレンズを用いるように指示されているようです。

ただズームレンズ使用が前提なら単焦点レンズなど、はなから眼中にありません。

単焦点レンズを使用する時点で、ズームレンズとは少し距離を置きたいというのが本音です。

単焦点レンズを用いる以上、広範囲の画角を網羅して欲しいという氣持ちは自然な流れ。

そこで次のように考えてみました。

下の表は単焦点レンズに単焦点マクロを加えたものです。

【マクロレンズを適用したときに追加される単焦点レンズ】

焦点距離(mm)30456090
OM SYSTEMF3.5F2.8F3.5
PanasonicF2.8F2.8
青:OM SYSTEM、緑:Panasonic(2024年6月現在)

【マクロレンズを適用した際に得られる単焦点レンズのラインナップ】

焦点距離(mm)891214151720253042.545607590200300
OM SYSTEMF1.8F2.0F1.4
F1.8
F1.4F1.2
F1.8
F3.5F1.2
F1.8
F2.8F1.8F3.5F4.0
PanasonicF3.5F1.7F1.4F2.5F1.7F1.7F1.4
F1.7
F3.5F1.2
F1.7
F2.8F2.8
黄色:魚眼、青:OM SYSTEM、緑:Panasonic、赤:マクロレンズの適用時(2024年6月現在)

マクロレンズを単焦点レンズの一員としたことでラインナップが一氣に向上しました。

60mmや90mmといった中望遠・望遠系が充実し始めたのです。

特に90mmは加わるだけで広角から望遠まで連続的な画角のバリエーションに変わった氣分になります。

単焦点レンズの魅力

ズームレンズほど便利なものはありません。

ではなぜ単焦点レンズは無くならないのでしょうか。

単焦点レンズの最大の特長は明るさです。

マイクロフォーサーズはセンサーサイズの小ささから絞り開放時のボケ味が悪いとされます。

そんな課題を単焦点レンズが解決します。

つまり単焦点は大口径レンズを実現できるのです。

ズームレンズでは限界とされるF2.8は単焦点レンズにとって暗すぎるF値です。

ZUIKOレンズでは安価とされるPREMIUMレンズでさえF値は1.8と明るい。

PROレンズともなればF1.2と2絞り以上の明るさを実現します。

明るいレンズにはボケ味という観点だけではなく星や夜景などの暗い環境で活躍します。

またマイクロフォーサーズが不得意とする暗部ノイズは明るいレンズによって解決されていきます。

こう書けば単焦点レンズは何でもかんでも明るいほうが良いと思われがちです。

ところがここに落とし穴があります。

明るすぎるレンズは重くて大きい。

これはフルサイズと言われる35mmカメラであってもマイクロフォーサーズであっても同じ。

過ぎたるは及ばざるが如し

明るいというメリットを享受するなら重さや大きさというデメリットを受け入れる必要があります。

特にマイクロフォーサーズに関しては軽量軽快が売りである以上、

過度な明るさを求めることは逆効果となります。

単焦点レンズがズームよりも画質的な比較で上位だとしてもF値はF1.2辺りが許容限界。

レンズメーカー製でF値が1を切るツワモノのようなレンズもありますが、

それだけ重量も大きくなり使用するには覚悟が必要になります。

こう思っていただいて間違いありません。

単焦点レンズの視点を変える

単焦点レンズは明るくないと意味がない。

そう思われる方もおられるでしょう。

一方で単焦点レンズだけで広角から望遠までそろえることができる。

このメリットについてはどう感じるでしょう。

マイクロフォーサーズでは望遠系はズームレンズが先行している。

レンズラインナップを見れば一目瞭然です。

ズーム系、特に望遠ズームは充実してきたね

ただし単焦点レンズを持っていく中でズームレンズが1本でもあれば、

実際の現場撮影では便利さ故にズームレンズばかり使用してしまう。

こんな状況になりえることも容易に想像できてしまいます。

何も単焦点レンズにズームレンズを加えないようにしましょうと呼びかけているのではありません。

実際の撮影風景であえて不便な単焦点レンズを持って行くなら、

便利なズームレンズはその日だけでもお休みしても良いのでは。

そんな感覚です。

単焦点で決めよう!という日もあると写真は面白い

せっかく単焦点レンズで撮影すると宣言した日があるのなら、

単焦点レンズ自体を楽しむ有意義な時間を過ごすことも大切な写真ライフではないでしょうか。

そのためには明るい単焦点レンズだけにこだわるのではなく単焦点マクロをうまく活用することも手です。

幸いにもOM SYSTEMからは75mm単焦点レンズを上回る画角の望遠系マクロレンズ90mmF3.5PROがあります。

このレンズに着目し、単焦点レンズそのものを楽しむという視点を持っても良いはずです。

テレコンバーターを使いこなす

M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PROはとてもユニークな存在です。

マクロでありながら90mmという単焦点レンズの位置付けを確立したのですから十二分に価値があります。

ところがそれ以上にM.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PROには有利な点が存在します。

それはテレコンバーターが使用できるというメリットです。

テレコンバーターは主に望遠系、それも高画質を実現するレンズにのみ使用が許されています。

これは画角をそれぞれ1.4倍、2倍に拡張する機能を有します。

テレコンバーターなら活用範囲がグンと広がる

90mmならMC-14で126mmに。

同じくMC-20なら180mmに。

もちろんテレコンバーター使用にはデメリットも存在します。

それはF値が大きくなるという点です。

先の文章で単焦点レンズは明るい事がメリットだと書いたじゃないかと思われるでしょう。

明るい=単焦点レンズ。

この見方は正しいですが、一方向からの見え方であると言い換えることもできます。

それはレンズ単体の視点であり、拡張性は除外しています。

マイクロフォーサーズは明るくても小さくて軽快なレンズ群です。

ところがこれら一般的な単焦点レンズにはすべて拡張性はありません。

明るくて小さい。

明るくて小さいだけでも十分なメリットだけどね

ただそれだけなのです。

M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PROは単体はF3.5ながらズームと比べても明るいレンズ。

少し明るいだけですが、画角を変化させる拡張性が内蔵されています。

これだけでも大きなメリットです。

なぜなら1本のレンズながら3本の単焦点レンズを持ち歩くことと同じなのですから。

そこにはF値が大きくなるというデメリットを払拭し、軽量・軽快さというメリットを生み出しています。

テレコンバーターの大きさはMC-14なら59.8×14.7mmで105 g。

MC-20なら59.8×25.9 mmで150 g。

M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PROは大きさが69.8×136mmで重量が453 g。

仮に望遠系単焦点レンズを3本持ち歩くとして上記組合せなら、総重量708 gで済むのです。

さらにM.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PROは特殊な存在です。

3本の望遠系単焦点レンズ単体なら合計で2 kgは軽く超えるね

35mmフルサイズカメラでに180mmを有する単焦点レンズは現行品として存在しません。

望遠系レンズで35mm換算200mm近くを写し込む単焦点レンズは貴重な存在です。

その上、テレコンバーターを使用できるマクロレンズなども類を見ません。

マクロフォーサーズの真髄である軽量軽快がきっちり背後にある点も素晴らしいではありませんか。

加えるなら、単焦点ゆえの高画質実現をプラスアルファして唯一無二となるレンズです。

90mmマクロの手ぶれ補正

望遠系レンズは特性故に手ブレがとしてもシビアなものとしてとらえられます。

そこに加え、近接撮影となればより一層の手ブレが考慮されるべきです。

M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PROの特長として手ぶれ補正がレンズに加えられていること。

何を示したいのかというと望遠かつ近接撮影は十中八九手ブレが生じる状況ということです。

これを手持ち撮影で実現したのがM.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PROです。

マクロ撮影そのものが被写体が動き、手が動くことで撮影自体困難です。

望遠マクロの手持ち撮影でブレなし:驚異的な手ぶれ補正

ところが90mmマクロは止まっているかのような映像を創り出すのです。

少なくともマイクロフォーサーズ系の望遠(ズーム)レンズにはほとんどと言っていいほど、

レンズ内手ぶれ補正が組み込まれています。

それは超望遠と言われる400mm(フルサイズ換算800mm)や600mm(同1200mm)でです。

M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PROは超望遠ではないものの近接撮影という特殊性があります。

この点は注目すべき点でしょう。

さらに高画質レンズだけに与えられたテレコンバーターが使用可能なのですから鬼に金棒。

これだけでもM.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PROには十分な価値を見出すことができます。

まさしく単焦点レンズのラインナップに加えられて当然なる風格。

テレコンバーターによるF値の低下はあるもののレンズ内手ぶれ補正がそれをカバーしてくれます。

OM-1やMarkⅡのカメラを用いるなら高ISO耐性も付与されているのですから問題はありません。

M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PROはまさしく、

フルサイズのレンズ比較なら高性能で安価なんだ

単焦点レンズの望遠域をカバーするにふさわしい存在といっても過言ではありません。

定価で20万円近くする高額なレンズですが35mmフルサイズのレンズと比較するなら高額とは言えない。

そう断言できる高性能レンズです。

これらをまとめると以下のような表になります。

【マクロレンズとテレコンバータを適用したときに追加される単焦点レンズ】

焦点距離(mm)30456090126180
OM SYSTEMF3.5F2.8F3.5F5.0F7.1
PanasonicF2.8F2.8
青:OM SYSTEM、緑:Panasonic、赤:テレコンバーター使用時(2024年6月現在)

【マクロレンズとテレコンバータを適用した際に得られる単焦点レンズのラインナップ】

焦点距離(mm)891214151720253042.545607590126180200300
OM SYSTEMF1.8F2.0F1.4
F1.8
F1.4F1.2
F1.8
F3.5F1.2
F1.8
F2.8F1.8F3.5F5.0F7.1F4.0
PanasonicF3.5F1.7F1.4F2.5F1.7F1.7F1.4
F1.7
F3.5F1.2
F1.7
F2.8F2.8
黄色:魚眼、青:OM SYSTEM、緑:Panasonic、赤:マクロレンズの適用時(2024年6月現在)

M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PROにテレコンバーターを追加すると、

75mmから300mmまで相当画角が空いていたところがパズルのように穴埋めされていきます。

そこにテレコンバーター使用の画角を当てはめれば連続性は更に向上します。

もちろんテレコンバーターを使用することによるF値の低下は避けられませんが、

それ以上に単焦点レンズで統一できるというだけで十分なメリットがあります。

テレコンバーターを使用することによるF値低下と引き換えに撮影倍率が比例して大きくなり、

MC-20装着で35mm判換算 4.0倍相当/8.0倍相当 (S-MACRO時)の拡大率は驚愕です

こんな芸当ができるのはマイクロフォーサーズ以外ないのです。

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